へたっぴです。
マネースクエアが新たにリリースした通貨ペア「ドルシンガ(USD/SGD)」。トラリピ世界戦略シリーズ第5弾です。
早速、リリース当日からトラリピの設定をしました。
とりあえず、マネースクエアの戦略リストに従って1.24~1.31に36本としました。1.24より下のレンジはとりあえず仕掛けてはいません。1.24を切ったらチャンス到来と思うのでマネースクエアのコア集中型ではなく、ピラミッド型にして積極的に仕掛けます。始まったばかりなので今は様子見です。
ドルシンガ登場により、世界戦略において新しい選択肢が増えたのは僕にとって大きな魅力です。しかし、通貨ペアが増えればその分、特有のリスクや注意点も理解しておく必要があります。ここでは、ドルシンガの特徴とトラリピ運用における注意点について、自分なりに考察してみました。
ドルシンガはどんな特徴を持つ通貨ペアなのか?
USD/SGD(米ドル/シンガポールドル)は、米ドルとシンガポールの通貨であるシンガポールドルの組み合わせです。シンガポールドルはアジア圏において比較的安定した通貨として評価されています。その背景には、シンガポールが持つ政治的安定性と強固な金融システムがあります。
しかし、同時に注意すべきは「国の規模が非常に小さい」という点です。GDP規模や人口規模で見れば、日本や米国、欧州各国とは比較になりません。世界経済の波に対して柔軟に対応する一方で、外的要因によって大きく影響を受けやすいという特徴もあるのではないかと思っています。
シンガポールは政治的に安定しているが地政学的リスクはある?
シンガポールは東南アジアの中で最も政治的に安定した国の一つと言われています。汚職が少なく、法制度が整備され、企業活動の自由度も高いため、世界中の資本が集まる「アジアの金融ハブ」として確固たる地位を築いています。
しかし、忘れてはいけないのは「地政学的リスク」の存在です。シンガポールは地理的に非常に戦略的な位置にあり、マラッカ海峡を通じて世界貿易の大動脈に位置しています。もし周辺地域で政治的・軍事的緊張が高まれば、直接的な軍事衝突がなくても物流や金融に大きな影響が及ぶ可能性があります。特に、南シナ海の領有権問題や米中対立の影響は、シンガポールドルの変動要因となり得るでしょう。
つまり「国内的には安定しているが、外的なリスクに敏感な通貨」だと思います。
ドルシンガをトラリピで運用するメリットと難しさは?
トラリピはレンジ相場を前提とした自動売買手法であり、シンガポールドルの特徴である「比較的安定したレンジ推移」とは相性が良い面があります。特に、シンガポールドルは過去数十年にわたって急激な暴落や暴騰を経験することが少なく、政策的にも通貨安定を重視する国です。この点は、長期的にトラリピを仕掛ける際の安心材料になるはず。
ただし、以下の点に注意が必要です:
- 流動性の問題
USD/SGDは主要通貨に比べると取引量が少ないです。マイナー通貨ペアは一般的にスプレッドが広がりやすく、流動性リスクが存在します。短期的な大口注文が入ると相場が動きやすい点は考慮すべき点と思われます。 - シンガポールドルの政策的管理
シンガポールは独自の通貨バスケット制を採用しており、中央銀行(MAS:シンガポール金融管理局)が為替を管理しています。自由変動制の通貨ペアとは違い、政策的に相場の変動幅が抑制される傾向があり、これがレンジ相場を形成しやすい一方で、突発的な政策変更リスクも存在します。スイスフランショックなどは典型例ですよね。 - 地政学的ショックによる急変動
普段は安定していても、突発的な国際問題が起きた際には一気にボラティリティが高まる可能性があります。トラリピは長期運用が前提ですが、こうしたショックへの備えは欠かせません。
ロングのレンジをどうするか
マネースクエアの戦略リストのロングの上限は1.31です。週足でみるとロングのレンジに収まっている期間は少ないです。上抜けした場合どうするか?ショートは現時点ではマイナススワップがきついのであまりやりたくはありません。1.38を抜けるまではロングかなと思ってます。そうなるとロスカット水準が高くなるので資金管理は厳しく考える必要性が高まります。
マネースクエアの特集ページより引用
トラリピ運用で資金管理とリスクヘッジはどうすべきか?
トラリピ運用で最も重要なのは「資金管理」です。ドルシンガは比較的安定した通貨ペアといえますが、「安定している=リスクが低い」とは限りません。むしろ、普段安定しているがゆえに、いざ急変動が起きたときのショックは大きく感じられるものです。
ドルシンガの運用を始めていますが、僕は以下の点を意識して運用することを心掛けてます:
- 維持率は高めに設定:想定外の変動にも耐えられるように証拠金維持率は余裕を持たせる。基本中の基本ですね。
- 分散投資を徹底:資金を集中させず、あくまで世界戦略の一部としての運用でバランスを取る。
- USD/CADとの組み合わせ:同じUSDを基軸としているので、相関が高いです。USD/CADのショートとUSD/SGDのロングを組み合わせることで疑似的な両建て戦略をとることができるのではないでしょうか。
- リスクイベント時:米中関係や南シナ海情勢など、シンガポールに影響を与えるニュースが出た際は、ポジション調整を考えるべきかもしれません。しかしながら現在のところロングはプラススワップなので気長に待つという戦略が取れるのであまり気にしないようにするつもりです。
-
まとめ:ドルシンガ運用で成功するために必要な視点は?
ドルシンガは、政治的に安定したシンガポールドルを含む通貨ペアであり、トラリピ運用において魅力的な選択肢の一つです。特に安定的なレンジ相場が形成されやすいという特徴は、自動売買との相性が良いポイントです。
ただし、小国ゆえの外的リスク、地政学的な緊張、政策的な通貨管理といった特殊要因を理解し、過信せずに資金管理を徹底することが求められます。トラリピは「仕掛けて放置」できる便利な仕組みですが、その前提には常にリスクを想定した準備があることを忘れてはいけません。
ドルシンガをポートフォリオに加える際は、この通貨ペアの「安定」と「リスク」の両面を正しく理解し、冷静に運用していきましょう。