【第317話】トラリピ投資においてスプレッドを気にしなくてよい理由


へたっぴです。
FXの世界では「スプレッドの狭さ」がしばしば強調されます。FX会社選びにもスプレッドの狭さは重要なポイントとされ、比較サイトやブログでも強調されているのを皆さんも目にしたことがあると思います。スプレッドをFX会社選択の基準にした人もいるかもしれません。
しかし、トラリピのようなトレード方法においては、スプレッドをそこまで重視する必要はないのではないかとずっと思っています。
トラリピとスプレッドの関係について紹介したサイトがいまいち見つからなかったので、なぜトラリピ投資では気にしなくてもよいのかについて思ったことを書いてみます。

スプレッドとは何か?

まず、スプレッドとは「売値(Bid)」と「買値(Ask)」の差のことを指します。FX会社はこの差を設けることで収益を得ています。たとえば、ドル円のレートが「買い:150.02、売り:150.00」と表示されている場合、スプレッドは2銭です。この差が実質的にFX会社に支払う「手数料」にあたります。
株式投資では売買ごとに明確な手数料が差し引かれるのに対し、FXではこのスプレッドが「見えない手数料」として組み込まれているわけです。

スプレッドは「手数料」ではなく「為替の価値」

ここで重要なのは、スプレッドは単なる手数料ではなく「その瞬間の為替レートの価値」を反映している点です。
つまり、FXで買いポジションを持った瞬間に含み損が出るのは、手数料を取られたわけではなく、売りレートとの差がスプレッドとして存在しているからです。
手数料であって手数料ではない。FX会社はあなたから直接手数料を取っているわけではなく、あなたの注文を利用(担保として)して市場から手数料に値する利益を得ているというのが正解なのではないでしょうか。
これはFX市場の仕組みであって、注文に対して売買した価格とは別に手数料を引かれる株式取引とは本質的に異なります。

トラリピではスプレッドが利益に直結しない

僕がトラリピにおいてはスプレッドは関係ないと思う具体的な理由を説明します。

トラリピの取引は「レンジ内に多数の仕掛けを配置し、相場の上下動を利用して自動的に売買を繰り返す」仕組みです。大多数の人は50銭~1円や、30~100pipsという値幅で決済注文を出していると予想されます。マネースクエアの公式の戦略でもだいたいそんな感じです。

具体的にドル円を対象に149円で買い、150円で決済売りという注文を考えてみます。
この場合、スプレッドが0.5銭だろうと5銭だろうと149円で買った注文は150円で原則決済されます。

149.95円や149.998円で決済されることは基本的にはなく、「売値(bid)」が150.00円に到達したときにトラリピの決済は行われます。

つまりスプレッドはあくまで「約定した瞬間の価格差」でしかなく、決済時に別途コストが引かれるわけではないため、トラリピの利益には影響しないのです。
※スリッページはスプレッドとは全く別の話なので売買時のスリッページはないものとして書いています。

スプレッドが広くても「決済タイミング」が少しずれるだけ

スプレッドが大きければ、もちろん「利益確定の水準」に到達するのが少し遅れる可能性があります。しかし、その差はごくわずかで、長期的なトラリピ運用の成果に大きな差を生むものではありません。
>何よりもチャートを確認すればわかります。

ここで147.00円で買い、147.50円で売りのトラリピ注文があったとします。

下記チャートは30分ごとのドル円のチャートです。

青矢印のところで147.0円の買い注文が成立したとします。


その後時間が進み円安となり、買い注文成立後、5時間後くらいに147.5円までぎりぎり届かなかった場面がありました。緑矢印のところです。
この147.5円に届かなかったところではスプレッドが狭ければ147.5円に届き、決済注文が成立していたかもしれません。
『やっぱりスプレッドは重要』と思ったかもしれませんが、その後のチャートを見てください。
それから数時間後に147.5円を超え、決済注文が成立しています。

つまり、スプレッドの差は決済成立までの数分~数時間の差でしかなく、利益額には何の影響もありません。
ドル円なんて1日に何十銭も動くのはザラですし、ドル円に限らずたとえばスプレッドが0.3銭広がったとしても、トラリピの1回の利益幅が50銭〜100銭(pips)単位で設計されているなら、スプレッドの影響は0.3%〜0.6%程度にすぎません。これは事実上「誤差」の範囲の動きです。

僕の場合、1か月あたり新規注文回数と決済回数がそれぞれ100~150回くらいになりますので1日あたり、3~5回くらいの新規注文・決済があります。仮にスプレッドが狭かったとしてもタイミングが18時半に決済(新規建て)していたものが18時に決済(新規建て)されたくらいで新規注文・決済回数そのものには影響はないでしょう。

スプレッド差で決済できないことは「ほぼない」

確かに、上のチャートのようにスプレッドの影響でごく一部の注文が決済に届かないケースはありえます。ギリギリ決済価格に届かず反転することもありうるでしょう。またギリギリで新規注文ができなかったということもありえます。
しかし、それは稀です。
というのはスプレッドがFX会社によって差があったとしても数銭の違いしかありませんので、149.95円で反転か149.98円での反転の違いしかありません。

そして何よりもトラリピなので多数の注文が全て違った価格で設定されているはずです。少なくとも数10本~数百本の仕掛けがあるのが一般的でしょう。その一つ一つがスプレッドの差で届かないなんてありえません。

したがって、トラリピのような手法において数銭の違いで結果が大きく変わるなんてないということは容易に想像できるかと思います。トラリピの本質は「仕掛けを数多く分散配置して、全体の収益を長期に渡って少しづつ積み上げていく」ことにあります。一つ一つの仕掛けは独立しているため、「スプレッドのせいで全体の収益が崩れる」ということは起こらないはずです。

スキャルピングとは根本的に違う

スプレッドを気にしなければならないのは、1回の利益幅が数pips程度しかない「スキャルピング」取引のみです。スキャルパーは超短期で何十回も取引を繰り返し、数pipsの利益を積み重ねるため、スプレッドが広いと致命的になります。上記でトラリピの決済例では147.5円に届かなかった数時間後に結局は届いた例を挙げましたがスキャルピングで何時間も放置した取引はないです。時間軸がトラリピと根本的に違います。

さらに、トラリピは1回の利益幅が大きく、数10pips〜100pips単位で利益を狙います。そのため、スプレッドの影響は無視できるレベルなのです。

トラリピでも決済値幅がめちゃめちゃ狭く、スキャルピング的な取引をする人はいるかもしれませんが少数派なのではないでしょうか。

「スプレッド重視のFX会社選び」は誤解

トラリピのようなグリッドトレードを紹介した一部のサイトでは「〇〇FX会社の利点としてスプレッドの狭さ」と書いているのをたまに見かけます。上に書いたような理由からこれは間違っていると思います。<
トラリピのようなグリッドトレードで重要なのは以下の要素だと思います。

・注文機能の使いやすさ(自動売買に適しているか)

・スワップポイントの水準(長期保有に影響)
・口座管理の利便性

 

スプレッドは優先度が低く、むしろ「トラリピに適したサービスを提供しているかどうか」が最も重要な比較ポイントです。

まとめ:トラリピ投資家はスプレッドを気にしなくてよい

ここまでの内容を整理すると、以下のように言えます。

 

    • ・スプレッドは手数料ではなく「その瞬間の為替の価値」。
    • ・トラリピの決済価格はスプレッドの影響は受けない。
    • ・スプレッドの大きさの違いは決済タイミングが数十分~数時間ずれるだけで、トラリピの運用成績に大きな影響はない。
    • ・スプレッドが問題になるのはスキャルピング+高レバレッジ取引のケースだけ。
    • ・トラリピ投資で重視すべきは使いやすさやスワップポイントであって、スプレッドではない。

 

つまり、トラリピ運用ではスプレッドを過度に気にする必要はありません。相場が上下する限り、仕掛けが稼働し続け、長期的に利益を積み上げていくのがトラリピの強みです。

トラリピの本家であるマネースクエアはスプレッドは広めかもしれませんがトラリピ運用で利用する限りは何も気にしなくてよいと思います。

ちなみに僕はマネースクエアの回し者ではないです。アフェリエイトとかやってないし。

なんとなくモアモヤしたものがあったのでここで吐き出してみました。

 

へたっぴ
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