へたっぴです。
暇つぶしによくニュースアプリ見てます。
その中で気になる記事を見つけました。
記事の一節にはこのように書かれていました。
会社説明会や就職情報誌では紹介されない現実を紹介していきましょう。
私の知り合いに、大手商社の社員がいましたが、役職定年を迎えた際の役職が「部長」か「課長」かで、その後の人生が大きく変わってしまうことを目の当たりにしています。
その商社の場合、役職定年時に部長であればどこかの子会社の執行役員として出向になるそうです。しかし課長だと、出向先の課長以下の役職に飛ばされるそうです。当然、収入も大きく減ります。
記事の著者の本の宣伝記事みたいなので大袈裟に書いているようですが著者の見識を疑いますね。
少ないサンプル例を出してそれが全部の大手企業に当てはまるかのように書いてるのもレベルの低さが伺えます。
いろいろ突っ込みどころが満載の記事ですが上記の点について反論します。
僕の狭い世界の話で反論にはなってないかもしれませんが違和感ありまくりだったので書かずにはいられませんでした。
所謂、大企業と呼ばれる会社はほぼ間違いなく子会社を持ってます。
数社とかじゃなくて数十から数百社。
さらに子会社の子会社、つまり孫会社もあります。
さらに連結対象の関連会社ほどではなくとも、数%程度出資している会社もあります。
うちの会社も連結対象の子会社だけでも百社以上のあります。
関連会社の規模も上場しているような会社からそれこそ中小企業クラスの会社まで様々です。
これら関連会社の役員はプロパーの方もいますが親会社からの出向・転籍組も多くいるのが現実です。
何が言いたいかと言うと大手企業は出向先の候補を多く持っています。
これがポイントです。
部長クラスと課長クラスでは何が違う?
繰り返しますが、大手企業は出向先の候補を多く持っています。
役職定年時に部長って、普通の会社では部長そのものの絶対数は少ないですよね。
子会社という入れ物は多くあるのに部長以外は子会社で課長以下?
普通に考えてそんなことないですね。
そもそも、うちの会社の場合、
本社部長>主要子会社役員=本社課長>中小子会社役員>孫会社役員
みたいな関係があります。
本社課長だと親会社にいながら管轄する関連会社の役員も兼任したりしてます。
つまり、親会社で役職定年時に部長の人だけが子会社で役員になるわけではないです。
課長クラスでも役員として出向・転籍することは多いです。
部長クラスと課長クラスでは何が違うかというと、
・本社部長クラスは主要子会社の代表取締役(社長、専務など代表権を持つ役員)
・本社課長、支社長クラスは常務取締役などの代表権を持たない役員
・その他は中小子会社や孫会社の役員(社長~平取まで様々)
みたいな感じなので、会社の規模や代表権の有無などが違うだけです。
(だけとは言っても社員十人~数百人の会社の役員や代表権の有無の違いなのでそれなりに違いはあります。)
親会社と子会社では会社の規模が全然違うので、役職定年者といえども出向先で課長以下ということはまずないですね。
給料は子会社といえども役員としていくので、めちゃくちゃ大きく下がりはしないです。親会社に残っても役職定年以降は賞与が下がるので役員として出向しても大きくは変わらないことが多いみたいです。
大手企業ってその名の通り大手なので、一つのセクション(課)での取り扱いが数十~数百億円になるんですね。それらのセクションが100個集まって1兆円の規模。
大手企業の課長クラスはそもそもが中小企業並みの取り扱い高の責任者でもあるわけです。
次の異動先が子会社の役員であっても何の不思議でもありません。
他社の詳しい内実は知りませんが、私の乏しい情報源でも似たような感じであることは耳にしたことがあります。
このようなことももちろん、「会社説明会や就職情報誌では紹介されない現実」です。
テキトーな記事に腹が立つ
リンク先の記事では、大企業では「常に上司の方を見て仕事をする」、「上司に気に入られる努力に邁進」しているからか、「45歳頃になると、すっかり元気を無くしている」、一方でベンチャー企業でがむしゃらに働いていた人たちなどは、「40歳過ぎてもますます元気いっぱいでイキイキしている」などと書いてます。
だから新卒はベンチャー企業に行きなさいですと。
無責任ですね。
まぁ、こんな内容に釣られる就活生は極めて少ないとは思いますが、数年前から新卒採用のリクルートに携わっていることもあり、テキトーな内容で就活生を惑わせるような本を書いていることにちょっと腹立ちます。
自分が大手企業にいるからといって、別にベンチャー企業に就職することを否定するつもりはないです。
大企業、ベンチャー企業、それぞれメリット・デメリットがあるはずなので自分のやりたい仕事、将来像、給料などの福利厚生、働く環境etcで、自分が就職したい会社をそれぞれが目指せばよいのであって、一方をくさすことで一方を持ち上げる手法が気にくわないだけです。